はじめに

過日(2000年6月)兵庫県の実家の物干し竿に、クマバチが巣を作ったと母に知らされた。
少し古くなった角材の物干し竿は、軒下で玉ねぎを干すのに使っていたが、そこに4つも穴をあけ巣穴を掘っていた。
それぞれに出入りして巣作りをするクマバチを見て、少年の頃から大学生の時まで蜂に魅せられて、休日になるといつも蜂を追っていた事を思い出した。
生態写真もたくさん撮ったはずと思い、探してみると捨てずに置いていた。
20年ぶりに改めて見ると、自分でもこんなに撮っていたのかと思うほどの写真の数。
折りしもすでにインターネットが完全に普及し、多くの人が自分のホームページを作って楽しんでいた。
それからホームページを開設したのは間もなくだった。
しばらくは古いプリントを直接スキャナで読み込み紹介していたが、そうしているうちに実際に外で蜂を見たくなった。
のちに仕事で佐賀県に赴任したが、勤務地に咲くアザミに飛来するハナバチのたぐいをコンパクトデジカメで写したりもした。
しかしそれでは物足りなくなり、デジタル一眼を購入して野に出る機会も一気に増えていった。
とうとうかつての様にマクロ用機材やストロボなどを買い揃え、リアルタイムでコンテンツを増やしていく事となったのである。
ここでは蜂の原体験となる少年の頃から大学生に至るまで、蜂に出会った場所とその思い出を追いかけていこうと思う。